父の初盆が近いある日
母が遺影をカーテンレールの上に
取り付けようとして
脚立から落下
壁に頭から激突
これだけ聞いたら
即救急車
あるいは脳外科に行くのが
一般的だと思う
私がこの事を知ったのが翌々日
いやぁ、首が痛いんよねぇ
じいちゃんの写真飾ろうとして転んだんよ
ちょっと打ったけど
大丈夫よ、首は痛いけど
頭?
さぁ、打ったんかねぇ
最初こう言ってた
で、写真高いところにあるから
脚立使ったの?
落ちたんじゃないの?
頭打たなかった?
て聞いたら
脚立から降りようとしたらね
もう一段あったんよね
あららら
て、壁までヨロヨロって
大丈夫よ
頭打ったけど、ちょっとだけ
病院?
大丈夫って!
あんまり大丈夫だと言うので
様子を見ることになった
その後、会いに行くたびに
最近足が痛くて歩くのきつい
頻尿になってきて紙パンツ履いてる
気分が晴れなくて食欲あんまりない
などと言うように
そして頭打って1か月以上たって
足がつんのめってコケそう
頭の中整理出来ない
言葉がすぐに出てこない
モヤモヤする
などの症状
まず普通に内科
紹介で脳外科
そこでCTに見事に映った血腫
総合病院で診断
慢性硬膜下血腫
手術、入院と
あっという間に決まった
出ていた症状が
高齢になると一般的に出るものだから
うっかり
頭打ったこと忘れていたら
取り返しつかなくなるところだった
あんまり大丈夫、大丈夫てのを
まにうけたらいけん
戦争体験した昭和生まれは我慢強いわ
後出しで
頭打って気を失ってたかもしれん
とか聞いて
まじでビックリだった
術後すぐ
ベッドに寝たままCT撮りにに行く時に面会
てか、エレベーターあたりから
ペチャクチャしゃべる母の声
あんた昼ご飯食べたんかね!
いやもうしゃべるしゃべる
てか、スラスラしゃべってる
血腫がキレイに取れたからか
その後頻尿もなくなり
入院セットで頼んだ紙パンツも不要
パワーアップしたんやないかい
やれやれでした
肝に銘じておきたいと思います